2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子の発現解析をハイスループット化する隔膜型エレクトロポレーションチップの開発
Project/Area Number |
07J03182
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石橋 毅之 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | C2C12 / 電気刺激 / 収縮運動 / 基板硬さ / PDMS |
Research Abstract |
ES細胞やiPS細胞などに代表されるように,生体内にある各細胞種を作り出せる時代が訪れようとしている.しかし,技術的な課題も多く,実現にはまだ困難な壁が残されている.その中で,筋細胞の分化誘導に関する研究は進んできており,化学的な刺激を用いることで増殖能を有する筋芽細胞から筋細胞を大量に作製することが可能である.しかしながら,生体内の組織と同様の機能(筋組織の収縮運動や代謝能力など)の獲得には至っていない.本研究では筋細胞に電気刺激を効率よく加えることで収縮運動や代謝能力を高度に獲得した培養筋細胞の作製を可能とするデバイスを作製した.多孔質アルミナ膜に貫通孔を有する絶縁膜を貼りあわせて細胞培養基板とし,リング状のPt電極で挟み込むことで細胞観察を行いながら電気刺激を行える構成としたデバイスである.このデバイスを用いた電気刺激は基板に施した孔内の細胞がほぼ均一な応答を示し,再現性の高い刺激を加えることができた.しかし,細胞の収縮運動の変位は小さいものであったため,電気刺激によって獲得した細胞の収縮運動を十分に発揮できる培養基板の検討を行った.筋細胞と同等の硬さのコラーゲン膜を培養基板に貼り合わせ,その上で細胞を播種・培養及び,分化誘導を行うことで,電気刺激に応答し,収縮運動を示す細胞を短時間で作ることに成功した.これまでの研究では収縮運動を示す細胞の作製のために,筋細胞へのトレーニング効果を付与するための数時間に及ぶ電気刺激を印加する必要があった.今回作製した基板は数十分の電気刺激を印加後に収縮運動を示す細胞を確認し,生体組織と同様の機能を有する筋細胞の作製に大きく前進したと言える.
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Research Products
(4 results)