2007 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞透過を介した正常組織内実質細胞への遺伝子送達システムの構築
Project/Area Number |
07J03185
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤原 孝博 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | トランスサイトーシス / ゴルジ装置 / ベクター |
Research Abstract |
遺伝子治療は効果的な疾患治療法であるが、現在実用的なものは局所投与によるもののみである。遺伝子ベクターを血中投与により標的部位に送達させ、機能させるためにはいくつかの大きな障壁があり、その中で血流と血管壁というのは非常に大きなバリアとなっている。血中投与後、血流を克服し、血管通過のために血管内皮細胞を透過させることが可能になれば、標的組織実質細胞への遺伝子送達が可能となる。そのため、血流存在下で効率よく血管内皮細胞内に取り込まれることが可能なベクターを構築し、さらに血管内皮細胞内を血液側から実質細胞側ヘトランスサイトーシスさせることが可能なベクターを構築することを目的とする。本年度は細胞をトランスサイトーシスさせるため、戦略の一つとしてベクターを一度ゴルジ装置へ輸送させ、そこから逆側の細胞膜側へ輸送させるという方法をとる。そのためのゴルジ装置移行性ベクターの構築が必要となる。今回、R8表面修飾リポソームをモデルベクターとし、極性細胞を用い、共焦点レーザースキャン顕微鏡を用いてゴルジ装置とベクターの局在性から調べた。その結果ペプチド非修飾カチオン性リポソームと比較して本ベクターはゴルジ装置との共局在が観察され、ゴルジ装置への移行が示唆された。以上の結果は人工ベクターのトランスサイトーシスの可能性を大きく広げたと同時に、人工ベクターを細胞内のゴルジ装置へ送達させるという未踏の成果であると考えられる。
|
Research Products
(1 results)