2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規指向性ライブラリーを用いた迅速な機能性抗体取得法の開発
Project/Area Number |
07J03205
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
服部 峰充 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 抗体 / 酸化亜鉛 / ペプチド移植 / 蛋白質工学 / 無機材料 / ファージ提示法 / 分子生物学 / ナノバイオテクノロジー |
Research Abstract |
本研究では、抗体ライブラリーに指向性を持たせることにより確実に目的の抗体を取得できる"新規指向性ライブラリーを用いた生体外選択"による機能性抗体の取得法の開発を目指している。ライブラリーに指向性を持たせることでライブラリー規模の問題を解決し、迅速に機能性抗体を取得できるシステムを構築できると考える。本年度は、1、移植した機能を保持したままでのライブラリーの構築、2、生体外選択手法による高機能性抗体の取得、3、取得した抗体の機能評価、を試み、ペプチド移植抗体を起点とした新規指向性ライブラリー構築のための基盤技術確立にむけた展望を示すことを目指した。本年度の研究成果は以下の通りである。 1、ペプチド移植抗体を起点としたライブラリーの構築:ペプチド移植抗体の相補性決定領域3(CDR3)に対し、既報の多種多様な無機材料結合ペプチド中に高頻度で現れるアミノ酸を要素とした人工ライブラリーを設計し、理論上の規模を満たすライブラリーを構築することに成功した。2、生体外選択手法による親和性向上:構築したライブラリーをもとにファージ表面へ抗体を提示させ、酸化亜鉛(Zn0)に対して親和性吸着操作を4回繰り返した結果、ランダム化した箇所におけるアミノ酸配列の濃縮を確認した。3、取得した抗体の機能評価:取得した抗体について結合定量評価を行ったところ、クローン4F2がZn0に対して解離平衡定数がK_p=9nMと非常に強い親和性を持つことがわかった。ペプチドを移植したのみの抗体においては、K_p=176nMであったことから、Zn0に対する親和性を約20倍上昇させることに成功した。また選択したクローンは酸化亜鉛以外の金属酸化物には結合しなかったことから、特異性を保持したまま結合力を向上させることに成功した。
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Research Products
(7 results)