2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規指向性ライブラリーを用いた迅速な機能性抗体取得法の開発
Project/Area Number |
07J03205
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
服部 峰充 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 抗体 / 酸化亜鉛 / ペプチド移植 / 蛋白質工学 / 無機材料 / ファージ提示法 / 分子生物学 / ナノバイオテクノロジー |
Research Abstract |
本研究では、抗体ライブラリーに指向性を持たせることで迅速且つ着実に目的の抗体を取得できる"新規指向性ライブラリーを用いた生休外選択"による機能性抗体の取得法の開発を目指している。昨年度までに、抗原として酸化亜鉛に特化し、移植したペプチドの機能を保持したままでのライブラリー化、及び、生体外選択手法による高機能性抗体の取得に成功した。本年度は、1、抗酸化亜鉛抗体の酸化亜鉛に対する詳細な結合解析、2、タンパク質接合技術を利用したバイオインターフェース分子の作製、3、酸化亜鉛以外の無機材料結合ペプチドの移植、を試み、本手法により作製した抗体の有用性を示すと共に、新規指向性ライブラリーの確立へ向けた基盤技術構築を目指した。本年度では、以下の研究成果を得た。1、本手法により得られた高親和性抗酸化亜鉛抗体について、結合力を生み出す領域である相補性決定領域(CDR)中の移植したペプチド配列と選択された配列をそれぞれ野生型配列へ再置換した変異体を作製し、結合評価を行った。その結果、それぞれ単独配列のみでは高い親和性を生み出せず、お互いの協同的作用が高親和性創出に重要であることがわかり、ライブラリー構築のための重要な知見を得た。2、遺伝子工学的手法を用いて、抗酸化亜鉛抗体と抗GFP抗体を融合した二重特異性抗体を作製し、酸化亜鉛基板へ吸着させた。更にGFPを添加したところ、二重特異性抗体を介して基板上へGFPを固定化させることに成功し、バイオインターフェース分子としての有用性を示した。3、酸化アルミナ結合ペプチド及び酸化コバルト結合ペプチドを抗体に移植したところ、抗原に対して結合性を示し、ペプチドの機能を移植することに成功した。この結果により、本手法の汎用性確立のための展望を示した。
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Research Products
(8 results)