2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規指向性ライブラリーを用いた迅速な機能性抗体取得法の開発
Project/Area Number |
07J03205
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
服部 峰充 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 抗体 / 酸化亜鉛 / ペプチド移植 / 蛋白質工学 / 無機材料 / ファージ提示法 / 分子生物学 / ナノバイオテクノロジー |
Research Abstract |
本研究では、抗体ライブラリーに指向性を持たせることで迅速且つ着実に目的の抗体を取得できる"新規指向性ライブラリーを用いた生体外選択"による機能性抗体の取得法の開発を目指している。昨年度までに、酸化亜鉛を抗原として、ペプチド移植と生体外選択手法を組み合わせることで高機能性抗体の取得に成功し、さらに結合機構解析により親和性向上機構を明らかにした。本年度は、1、酸化亜鉛以外の無機材料結合ペプチドを利用した本手法の汎用性検討、2、取得した抗体の材料特異性評価、3、無機材料結合抗体を利用したナノ粒子機能化とバイオインターフェース応用を試み、新規指向性ライブラリーによる抗体取得法の開発達成と取得した抗体の有用性を示すことを試みた。本年度は、以下の研究成果を得た。1、酸化アルミナ結合ペプチド、酸化コバルト結合ペプチド、金結合ペプチドをそれぞれ抗体に移植したところ、抗原への結合性を示し、抗原指向性を保持したままライブラリー化、生体外選択を行うことでペプチド移植抗体よりもそれぞれ60倍、10倍、20倍親和性が向上し、開発した手法の汎用性を示した。2、取得した抗体について、種々の無機材料に対する特異性評価を行ったところ、抗体の特異性は移植したペプチドの機能に依存することが明らかとなり、本手法確立のための重要な知見を得た。3、取得した金結合性抗体と金粒子とを混合したところ、高塩濃度存在下でも粒子が分散し、高親和性抗体の被覆効果による粒子の高機能化に成功した。さらに二重特異性抗体を作製し、酸化亜鉛や金基板上への高密度生体分子固定化による高感度センサー、金粒子の光散乱を利用した腫瘍細胞イメージング、異種材料間の架橋によるナノ粒子アセンブリなどのバイオインターフェース応用を示すことに成功した。以上の結果より、新規指向性ライブラリーを用いた生体外選択による機能性抗体の取得法の開発を達成した。
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Research Products
(8 results)