2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J03224
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
津嶋 貴弘 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | l進高次元分岐理論 / Localized Abbes-Kato-Saito-Grothendieck-Ogg-Shafarevich formula / Conductor formula / Lefschetz跡公 / Swan Conductor / degenerate localization / logarithmic localization / Kato O-cycle |
Research Abstract |
L進分岐理論に於いて、局所化された特性類の研究を行ってきた。Logarithmic blow-upを用いて、logarithmicに局所化された特性類を導入した。logarithmic blow-upを用いると馴分岐が消えるという加藤和也氏と斎藤毅氏の哲学に沿って、この馴分岐を忘れるという局所化を実現することができた。これによって、暴分岐locusに台をもつエタール・コホモロジー群に特性類を構成することができる。この局所化の応用として、導手公式を証明した。導手公式とは、l進Galois表現の暴分岐から生じる導手という整数論的に重要な不変量を表示、計算する公式であり、古典的な等標数の場合の導手公式(0次元の場合)の高次元スキームへの一般化になっている。以上の意味において整数論的に意義深い公式であるということができる。 これに加えて"退化的局所化"という別のタイプの局所化の方法を導入した。これの意味について述べる。最近l進層に対して、斎藤毅氏は非退化性という概念を定義したが、これは加藤和也氏によって導入された階数1の場合のclean性の自然な一般化ということができる。l進層が非退化であるとは分岐が余次元1のところだけで決まるということと大体同じである。更に斎藤氏は非退化なl進層に対し、lefschetz跡公式を証明した。これらのことを踏まえると、退化性とは余次元が二以上の部分スキームの暴分岐の寄与を反映している部分であり、上記のLefschetz跡公式に現れる自己交点積と特性類との差の部分とも思える。するとその差の部分が退化locusに局所化できるのではないかと期待するのは自然なことである。このようなアイデアに基づいて、退化的局所化を導入した。これと上述のlogarithmicな局所化とを比較した。その系として、Abbes-斎藤-GOS公式の精密化が実現できた。これと上記の導手公式とを合わせると階数1の場合に導手のより簡明な表示が得られる。以上が平成19年度に実施した研究成果の概略である。
|
Research Products
(1 results)