2007 Fiscal Year Annual Research Report
電磁相互作用による中重ラムダハイパー核の生成及び精密分光手法の確立
Project/Area Number |
07J03234
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川間 大介 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ハイパー核 / ストレンジネス / ジェファーソン研究所 / 高分解能分光 / ラムダ・核子相互作用 |
Research Abstract |
現代物理学における課題の一つである強い相互作用の解明のためには、ストレンジ・クォークを含むクォーク多体系であるハイパー核の構造研究が大きな役割を果たす。本研究は米国・ジェファーソン研究所の高品質な電子線加速器・CEBAFを用いて世界最高のエネルギー分解能で幅広い質量数領域でのハイパー核の構造を解明し、ひいてはラムダ粒子と核子間の相互作用を理解することが目的である。このために我々は散乱電子側に新たな電磁スペクトロメータ・HESを設計し、製作の段階に入っていた。 19年度における主な研究目標は1.HESの磁石系を完成させること、2.HESの検出器の開発、3.シミュレーションを用いた解析コードの開発の3点であった。1については日本での製作が秋に完了し、磁場測定を行った上で一部を除いてジェファーソン研究所に輸出が完了した。2,3については2005年に我々が行った第二世代の電子線ハイパー核実験の解析結果を踏まえ、ジェファーソン研究所に常駐している研究者と数度にわたる綿密な打ち合わせを行った上で研究を遂行した。検出器についてはHESの時間検出器を完成させ、K中間子を判別するための水チェレンコフカウンターとともに東北大学核理研においてテスト実験を行い、性能を確認した。また、解析コードについては詳細なシミュレーションを基にして従来のものより高速かつ正確な解析コードの開発を行った。これにより従来のものより正確なエネルギー校正用のデータが必要なことが判明し、新たな試みとして水標的の開発も開始した。
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Research Products
(1 results)