2009 Fiscal Year Annual Research Report
電磁相互作用による中重ラムダハイパー核の生成及び精密分光手法の確立
Project/Area Number |
07J03234
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川間 大介 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ハイパー核 / ストレンジネス / ジェファーソン研究所 / 高分解能分光実権 / ラムダ・核子間相互作用 |
Research Abstract |
ストレンジ・クォークを含むクォーク多体系であるハイパー核の構造研究は強い相互作用のメカニズムの解明に非常に有用な研究である。我々はハイパー核の構造を高精度で研究するため、米国・ジェファーソン研究所(JLab)の高品質な電子ビームを用いて世界最高のエネルギー分解能で幅広い質量数領域での一連のハイパー核分光実験を行っており、その第三世代実験が2009年の8月から11月にかけて行われた。この実験に我々は散乱電子側に新たな電磁スペクトロメータ・HESを設計・制作して臨み、データ収集は成功裏に終わった。 21年度における主な研究目標は実験のデータ収集と解析を行うことであったが、私の果たすべき役割は主に1.粒子検出器の実験室へのセットアップ、2.データ収集システムの管理、3.データ解析プログラムの改良、の3点であった。これらの作業を行うため2008年7月から2009年11月までJLabに滞在した。1、2の検出器及びデータ収集システムに関しては本実験の前までに準備を完了し、実験中も特に大きなトラブルもなく動作していた。 3の解析プログラムについては現在細かいパラメータ調整やデバッグなどを行っている最中であるが、実験中のオンライン解析の精度では充分な役割を果たした。とくに陽子(実際にはCH_2)標的を用いたエネルギー校正用のデータにおいて素過程の反応によるラムダ、シグマ粒子のピークを確認することができ、また^<12>_ΛBの基底状態のピークも実験中に確認することができた。これらの結果は解析に使用したスペクトメータの計算磁場マップが10^<-3>程度の精度で正しいことを示しており、今後の解析を進める上でも非常に重要な進展である。
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Research Products
(3 results)