2007 Fiscal Year Annual Research Report
インド・アッサム州における持統的な農村開発-洪水と住民の関係を通して-
Project/Area Number |
07J03293
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅田 晴久 Kyoto University, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アッサム州 / 稲作 / 洪水 / 伝統農業 / 開発 |
Research Abstract |
平成19年度は、まず国内で論文2本を執筆した。インド東北地方のアルナチャル・プラデシュ州、それに連続しているネパールヒマラヤでは険しい山岳地帯に多くの民族が住んでいる。一部の民族はこの地域から南の低地に下りて来て、今ではアッサム州などで暮らしており、少数民族の歴史を考える上で重要な地域である。また現在は、山岳地域の焼畑農業に伴う森林伐採が、下流の低地で洪水を引き起こす原因になっているとも考えられており、流域というマクロな視点から洪水災害を考える意味でも低地のアッサム州のみならず、山地地域を知る必要がある。浅田ほか(2007)では、ヒマラヤ地方においては周辺の山岳地形とモンスーン気候の制約の中で、より災害のリスクを軽減するために居住立地が選択されていることを明らかにした。浅田(2007)では、インド東北地方に住む複数の少数民族の集落や焼畑農業を紹介し、この地で開発が進み伝統が失われつつあることを報告した。 7月から12月にかけてインド・アッサム州でフィールドワークに従事した。ガウハチ大学地理学科で研究協力者のバガバティ教授と打ち合わせをした上で、調査村に赴いた。調査村は州都グワハティから400km東のロクヒンプルの街の郊外にある村である。スバンシリ川の河岸に位置し、雨季には浸水する土地もある。住民はアホム(タイ=アホム)と呼ばれる人々で80戸ほどの世帯が住む。まずは現地観察により周辺の地形と耕地の状況を確認した後、質問票を作成し、アシスタントの付き添いのもと全戸調査を試みた。家族構成、土地所有、稲作状況、農具、家畜などの情報を収集した。12月に一時帰国した後、1月から調査を再開しており、平成20年7月に完了する予定である。
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Research Products
(3 results)