2008 Fiscal Year Annual Research Report
ASK1-ASK2複合体の機能解析および,ASK1阻害剤によるASK1の機能解析
Project/Area Number |
07J03314
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅田 剛 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ASK1 / ストレス応答 / MAPキナーゼ経路 |
Research Abstract |
本研究者は細胞が外界からのストレスを認識し,応答するメカニズムを,MAPキナーゼ経路を中心としたシグナル伝達の視点から解明することを目的としている.特に最上流のMAPKKK分子であるASKファミリー分子について分子生物学的な解析手法を用いた研究を行っている.今年度は,新たに同定されたASKファミリー分子であるASK3について詳細な解析を試みた.ASK3はASK1やASK2とは異なり浸透圧ストレスに対して非常に特異的な応答性を示すことが分かってきたが,ファミリー間でこの違いを決めている機構は全く不明である.そこで,ASK3に特異的な浸透圧応答のメカニズムについて,RNAiを用いた遺伝学的スクリーニングで解明しようとしている.RNAiによる網羅的スクリーニングにおいては,効率的なノックダウンが可能であることが必要である。以前より,ショウジョウバエの培養細胞であるS2細胞を用いる系は,哺乳類細胞での系より簡便なため頻繁に行われてきている.そこでASK3の活性を検出できるS2細胞株を樹立し,網羅的なRNAiを試みた.まず初めに,ASK3を不活性化する脱リン酸化酵素の存在が示唆されていたので,脱リン酸化酵素の遺伝子をノックダウンすることとした.スクリーニングの結果,複数の遺伝子がASK3のリン酸化状態を抑制する事が分かった.また,ショウジョウバエ遺伝子とヒト遺伝子の相同性から,ヒトにおいてもASK3を脱リン酸化する遺伝子を同定した.現在はASK3に対する活性調節機構を検討中である. また,浸透圧におけるASK3活性調節因子をさらに網羅的に同定するために全遺伝子に対するスクリーニングも検討している.哺乳類における浸透圧受容分子は未解明な部分が多く,今後の研究で重要な知見が得られる可能性が高い.
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Research Products
(4 results)