2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J03315
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山中 衣織 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / グリシン / クラスター / マウスナー細胞 |
Research Abstract |
本研究では神経伝達におけるグリシン性の抑制性シナプスが発達過程でどのように形成されるかを分子レベルまで理解することを目的とし、発達期のシナプス形成のうち、特にシナプス後部での受容体凝集に焦点を当てる。 グリシン受容体はそのサブユニットのひとつであるβサブユニットが、ゲブリンというタンパク質を介して、細胞骨格である微小管に結合することでシナプスに凝集する。このメカニズムはまったく解明されていないが、当研究室では、グリシン受容体の阻害剤であるストリキニンを発生過程のゼブラフィッシュに作用させると、受容体機能だけでなく、受容体凝集も阻害されることが脊髄において見出されている。このことは、グリシン受容体凝集にグリシン性神経伝達が必要である、つまり活動依存的なシナプス形成を示唆するものである。 また、マウスナー細胞は硬骨魚類後脳に一対存在する同定可能ニューロンであり、さらにグリシン性の抑制性入力を多数受けることが知られているため、このマウスナー細胞をモデルとしてグリシン受容体凝集のメカニズムの解明を目指している。今年度、抗グリシン受容体抗体を用いてゼブラフィッシュの後脳切片を免疫染色し、マウスナー細胞において受容体クラスターを可視化する実験系を確立した。これにより、クラスター数の定量化が可能になり、発生過程の受容体凝集を詳細に解析することが可能になった。
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Research Products
(1 results)