2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁気中性点と合体を用いた高ベータ球状トカマク立上げ法の実験的検証
Project/Area Number |
07J03346
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今澤 良太 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 球状トカマク / センターソレノイドなし運転 / プラズマ合体 / ワッシャーガン / Double Null Merging法 |
Research Abstract |
TS-3/4やSTART/MASTで行われているプラズマ合体法はプラズマの加熱やCS(Center Solenoid)コイル無しの運転が可能といった利点があるが、真空容器内部のPF(Poloidal Field)コイルを用いてプラズマを生成している為、将来の炉にそのまま応用するのは困難であると考えられていた。しかし、真空容器外のPFコイルだけを用いてプラズマ合体法を行えるDNM(Double Null Merging)法が提案され、この方法を実証する為に実験装置UTSTが建設された。DNM法はPFコイルしか使わないため炉を簡素化できるという利点があり、注意が必要なのは金属真空容器での渦電流損失だけである。UTSTでは渦電流を小さくする為に1.5[mm]厚の薄肉の導体で真空容器壁を作り、その外側を16本の導体リブと20[mm]の厚みで塗り固めた繊維強化プラスチックで強度を補強をした。α作用のみを考えた絶縁破壊条件より、充填ガス圧が0.1-1.0[mTorr]で10[V/m]程度のトロイダル電場を印加する必要があると見積もられた。そして、ワッシャーガンを使って種プラズマを供給することで、ワッシャーガンを使わない場合よりも絶縁破壊時間を1/5に短縮し、限られた電源設備で外部PFコイルによるDNM法の実証に成功し、約50[kA]のプラズマ電流が得られた。PFコイルによるフラックススウィングを簡便な制御で行い、プラズマの生成・初期トカマクの維持・2つのトカマクの合体・合体後のトカマクの維持を行いDNM法を実証できた事は、DNM法の将来の炉への応用に対して望ましい成果である。
|
Research Products
(2 results)