2009 Fiscal Year Annual Research Report
人間協調共存ロボティクスにおける食卓後片付け問題へのヒューマノイドによる実現研究
Project/Area Number |
07J03353
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤本 純也 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 知能ロボティクス / アクティブセンシング / 手探り / ロボットハンド / 食器片付け / キッチンロボット / グラスプレスマニピュレーション |
Research Abstract |
本研究は,家庭内環境のような実環境におけるロボットの作業能力を考える上で標準的問題の1つとして提案されている食卓後片付け問題に対して,知能ロボティクスの多様な機能統合により作業実現を目指したものである. ○食器片付け操作の問題 食器片付け操作の問題は,光沢があるために視覚による認識が難しく,滑り落ちやすいといった特徴を持つ食器を壊すことなく片付けるために,重ねつつ集められた場所から順番にうまく取り出し移動させる問題としてとらえるられる.本研究ではこれらの部分に着眼し,新しい解決法,実現法を示した. ○食器片付け操作を実現するためのシステム この問題に対して,側方に開く親指構造と多種感覚を組み込んだロボットハンドや,目的実現に向けた動作と計測の統制に基づくロボット行動の計画と制御を可能にするソフトウェアシステム,センサフィードバックを利用する行動プログラムの開発環境としてのシミュレーションシステム,といったシステムを提案した.これは物体の丁寧な取り扱いを実現する上で,食器に限らず様々な対象で必要となる汎用的なロボットシステムの構成法を示したもので,物体操作を行うロボットの基本システムとしての価値がある. ○食器片付け操作の問題解決のための計画と制御 これらのシステムの上で,高低によらず重なりの上側にある食器から片付けていくためのアプローチ計画,近接覚を用いたなぞり動作の軌道情報に基づく操作行動決定,すきまの小さな皿の下へのグラスプレスな操作による安定な指の差し込みのための新しい操作方法であるたぐりよせ操作,といった機能を導入し,実際の食器片付け作業への適用可能性を示した.これは不定な環境における物体操作の問題の中で操作対象を食器に定め,食器片付け作業の一連の問題解決の方法を示したもので,学術的な意義があるとともに生活支援ロボットの産業応用に向けた歩みに貢献した.
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Research Products
(1 results)