2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J03358
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡部 弘達 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 噴霧燃焼 / エマルジョン燃料 / 数値シミュレーション / Large Eddy Simulation / 二次微粒化 |
Research Abstract |
現在、原油価格の高騰や環境問題の深刻化に伴い、高効率かつ環境低負荷型の燃焼器の開発が急務となっている。本研究では、それを実現する手段としてエマルジョシ燃料に着目し、エマルジョン燃焼機構の解明を実験と数値シミュレーションの両面から行い、エマルジョン燃焼システムの最適化を行うことを最終目的としている。今年度は主にエマルジョン燃焼機構の実験的な解明を行った。熱電対に懸垂したエマルジョン燃料滴を電気炉内で加熱し、ハイスピードカメラを用いて二次微粒化挙動の観察を行った。さらにエマルジョン燃料の噴霧燃焼実験を行い、エマルジョン燃焼特性の把握を行った。単一液滴実験の結果として、エマルジョン燃料滴の一部が分裂ずるパッフィングとエマルジョン燃料滴全体が微細液滴に分裂し、四方に飛散するミクロ爆発の二つの二次微粒化現象が観察された。しかしながら、二次微粒化の発生は確率的な挙動を示した。そこで二次微粒化の発生条件の検討を行ったところ、雰囲気温度およびエマルジョン燃料の水の体積分率の増加に伴い二次微粒化発生確率は増加するという結果が得られた。また、パッフィングよりもミクロ爆発の方が燃焼特性を改善すると考えられるため、ミクロ爆発発生因子の解明を行った。その結果、エマルジョン燃料滴の過熱度の増加に伴いミクロ爆発発生確率が増加し、過熱度がミクロ爆発発生の支配因子のひとつであることが明らかになった。噴霧燃焼実験の結果として、エマルジョン燃料を用いることで温度分布および化学種濃度分布が均一な分布となり水の体積分率を20vol.%とした場合、排出NO_x濃度は70%程度、CO濃度は50%程度減少した。以上の結果からエマルジョン燃料の二次微粒化により燃焼状況が大幅に改善することが示された。またミクロ爆発発生確率を高める燃焼場を形成することで燃焼状況をさらに改善できる可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)