2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J03426
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 資教 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(CD1)
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Keywords | イオントラップ / レーザ冷却 / カルシウムイオン / 微量分析 / 同位体比 |
Research Abstract |
トラップされている複数の同位体を観測するために冷却レーザのスキャンによる冷却スペクトル観測ではレーザ加熱により状態が変化するため繰り返し観測するためにはイオンの再ローディングが必要となる。そこで一度ローディングを行い非破壊でかつ繰り返し同位体を観測するための方法を実現するために、複数レーザと同位体シフトを利用し、対応する同位体を交互にLIF強度を測定することで同位体比を測定する手法について検証を行った。測定対象は存在比の多い40Ca+および44Ca+とした。ローディング後にすべての冷却および再励起レーザを照射した場合の影響を検証した。その結果40Ca+が44Ca+冷却用レーザと相互作用しレーザ加熱が生じることがLIFの急激な減少により確認でき、非破壊で繰り返し測定するためには、それぞれの同位体に対してレーザを切り替える必要があることが明らかとなった。そこでレーザ冷却後にレーザ照射をやめイオンのトラップ寿命を測定したところ30秒程であった。そこで秒オーダーでのレーザの切り替えではRF加熱によるエネルギー付与による影響は少ないと考えられるため、ローティング後に40Ca+を冷却しLIFが平衡状態になった後に、44Ca+用のレーザを照射し44CaのLIFを観測し、その後40Ca+と44Ca+のLIFを交互観測する手法を検証した。その結果40Ca+の冷却後にもかかわらず44Ca+のLIFはレーザの切り替えから観測まで10数秒程度の時間が必要となり、44Ca+を観測後に40Ca+の数が著しく減少し、繰り返し比を測定するためには高速にレーザの照射を切り替える必要があることが判明した。またRF電圧による影響が顕著であり、実験パラメータにより測定される同位体比が変化することが判明した。
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Research Products
(6 results)