2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J03426
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 資教 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イオントラップ / レーザ冷却 / カルシウムイオン / 同位体分析 / 超微細構造 / 協同冷却 |
Research Abstract |
本年度は天然比の小さい同位体43Ca+(0.135%)を対象として研究を行った.まず超微細構造を考慮したレーザシステムおよび磁気サブレベルの縮退を解くために必要となる磁場発生システムを導入した.そして実際に開発したシステム使用した実験によりローディングの段階から43Ca+を直接取り扱うことは隣接する同位体の効果により困難であることが判明した.そこで積極的に同時にローディングされる同位体を寒剤とした43Ca+の協同冷却を実現し,超微細構造に対応するスペクトルを確認した. さらに天然存在比の小さい微量同位46Ca(0.004%)および極微量同位体41Ca(10-12%)の挙動を測定するためには,同位体選択的なローディングを行う必要がある.そこで同位体選択的な手法として有用な光共鳴イオン化を実現するために必要となる実験システムを開発し評価を行った.まずレーザアブレーションによるイオンローディングと比較して,光共鳴イオン化ローディングは連続的にローディングできることを確認し,原子蒸気の発生手法として,レーザアブレーションと原子オーブンを比較し存在比の小さい同位体を選択的にイオン化させるためには連続的な原子の供給が必要であることから原子オーブンのほうが適当であることが判明した.続いて直接ローディングが困難である43Caと存在比が同等である48Caを対象とした光共鳴イオン化ローディングを行いローディングレートおよび同位体選択性を評価し,レーザ冷却に使用するレーザ等により同位体の挙動が異なることが判明した. 以上より本手法のよりレーザ冷却のスキームが異なる奇数同位体に対して協同冷却を実現し,核構造に対応するスペクトルの観測が可能となった.また存在比の小さい同位体の挙動を観測するために同位体選択的なローディング手法である光共鳴イオン化を実現し,イオンローディング時の同位体により挙動が異なることを明らかにした.
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Research Products
(4 results)