2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経伝達物質受容体・イオンチャネルを介した骨組織における力学的負荷伝達機構の解明
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07J03431
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
納冨 拓也 Tokyo Medical and Dental University, 歯と骨のGCOE拠点, GCOE拠点形成特任教員
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Keywords | イオンチャネル / HCN / 破骨細胞 |
Research Abstract |
イオンチャネルの一つであり、ペースメーカーチャネルと呼ばれるHCN(Hyperpolarization-activated cyclic nucleotide modulated channel)に着目して研究をすすめてきた。具体的には次の通りである。 1、HCN1欠損マウスから骨髄を採取して、RANKL(Receptor activator of NF-κB ligands)の存在下にて破骨細胞を誘導した。2、パッチクランプ法を用いて、HCNにより発生する電流(Ih)をHCN1欠損破骨細胞において同定した。このIh電流の電流量は変わらないが、活性化速度は野生型のものと比べて遅くなっていた。これは、HCN1が破骨細胞におけるIh電流の活性化速度に寄与していることと、他のHCNサブタイプがIh電流量に関与していることを示す。3、骨髄細胞分化におけるHCN1の役割を検討するために、HCN1欠損マウス由来の骨髄細胞からは野生型と比べて多くの破骨細胞が誘導された。これは、HCN1の骨髄細胞分化への関与を示している。4、酸感受性色素(BCECF)を用いて破骨細胞における酸放出能を検討した。安静時においてpHの調節に関与するNa+/H+交換輸送体の阻害下では、HCN1欠損マウス由来の破骨細胞の酸放出能は、野生型と比べて低下していた。5、骨形態計測法にて、脛骨近位部の破骨細胞数を確認したところ、HCN1欠損マウスでは野生型と比べて多くなっていた。 以上の結果はHCN1の破骨細胞の分化・酸放出機構への関与を示唆している。
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[Journal Article]2009
Author(s)
納富拓也, 編集:宮村実晴
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Journal Title
身体トレーニング(運動による骨形態・骨代謝の変化)(真興交易(株)医書出版部)
Pages: 130-135
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