2008 Fiscal Year Annual Research Report

東アジア市民社会圏における環境運動の社会学的実証研究-地域社会の紛争と協働-

Research Project

Project/Area Number	07J03464
Research Institution	University of Tsukuba
Principal Investigator	石岡理恵 (松井理恵) University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 特別研究員(DC1)
Keywords	環境社会学 / 地域社会 / 韓国 / 社会運動
Research Abstract	採用第2年目の本年は、採用第1年目の調査、研究の成果を発表するとともに、研究を新たな方向に展開させるための調査をおこなった。研究成果の発表として、具体的には、関西社会学会にて前年度の調査研究に関する報告をおこなった(2008年5月)。環境運動と市民社会の関係に着目したこの報告は、本研究の事例研究のひとつである。また、韓国にて文献資料収集および調査、研究会に参加した。本研究は環境運動における地域社会、住民を重視する立場を採る。したがって、韓国における地域住民組織を押さえておくことが研究の基礎となるという考えから、事例地の地域住民組織に関する聞き取り調査をおこなった。三徳洞ではマンション開発によって住民(土地所有者)が再開発賛成派と反対派とに二分されている。したがって、このような状況において地域住民組織がいかなる活動をして、いかなる役割を果たしているのかという問題意識をもって調査にあたった。この調査結果は平成21年度に学会発表、および査読付学術誌への論文投稿というかたちで発表する予定である。本研究では、紛争と協働というキーワードを用いて、東アジアの環境運動を実証的に研究する。そして、この作業を通じて東アジアの市民社会という概念を鍛錬する試みである。本年度に実施した研究報告および調査は、本研究の一部を構成するものとなる。