2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J03492
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村井 香織 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 社会学 / 地域研究 / 現代中国 / 人口政策 / 現代中国家族 |
Research Abstract |
本研究は改革開放以降における中国社会はどのように構成されているのかという問いについて、当該社会における社会形成の内的論理構造とその論理構造を相対的に捉える外的論理構造を把握・分析することを目的としている。本年度は研究計画に従い、国家形成の基礎部分である現代中国家族に関する研究領域に焦点を当て、特に改革開放以降の中国家族の形成条件に関する考察を行った。具体的には、1)中国の人口政策に関するデータの収集整理、2)改革開放以降の人口政策の意味に関する考察、3)経済発展と人口の質との関係と改革開放以降の当該社会における構造分析について検討を行った。1)で得られたデータは本研究の基礎資料として利用される。2)では、基礎資料をもとに、(1)経済発展に先行する「人口の質的向上」の意味、(1)経済発展と並行する優生思想の台頭と実現可能性の2点について検討し、現在論文にまとめている状況である。(1)では、1980年代を通じて中国では経済発展に先行する形で人口政策の枠組みが形成され、発展に与する人口という質的向上が目指されてきたことが改革開放を背景にどのような意味をもつのかということを検討している。(2)では、1990年代以降に本格化する経済発展と並行して「優生優育」という目標が他の社会政策等を通じて実現可能な状態へ展開を見せているという点を検討している。 3)では、当該社会における内的論理として、どのような「人口」が求められているのかという点を軸に、改革開放以降の中国社会の構造を分析するものである。この点についての検討は現在も継続中であり、次年度以降に論文にまとめる予定である。
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