2008 Fiscal Year Annual Research Report
特異な電子物性を有する新規ポルフィリノイドの合成および物性に関する研究
Project/Area Number |
07J03517
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
廣戸 聡 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ポルフィリン / 直接ホウ素化 / 一重項ビラジカル / コロール / シクロファン / フラーレン / 互変異性 / 双性イオン |
Research Abstract |
安定な一重項ビラジカルである二重縮環コロールとピリジンを混ぜることにより位置選択的にピリジンが付加した生成物を得た。得られた生成物は安定な双性イオンであることを明らかにした。さらに分子内電荷移動相互作用を利用したフッ素アニオンの特異的認識にも成功した。この結果はコロール化学では初めての例であるだけでなく一重項ビラジカルの新たな反応性を示す結果として重要である。また、ポルフィリン二ホウ素化体を酸化することでジヒドロキシポルフィリンを得ることに成功した。得られた生成物は溶媒の極性に伴うケトーエノール互変異性を示すことを明らかにし、中心金属で異なることを見いだした。さらにこれをDDQによって酸化することにより対面型のジオキソイソバクテリオクロリン二量体が生成することを発見した。生成物の構造はNMRおよびX線結晶構造解析により明確に同定した。この生成物の生成過程には一重項ビラジカルが関わっている可能性かおり、一重項ビラジカルの新たな展開として非常に期待できる結果と言える。一般的に非局在化型一重項ビラジカルは合成が困難であるが、今回発見した成果によって簡便に一重項ビラジカルヘ変換できる可能性が示された点で重要である。最後にβホウ素化ポルフィリンを用いて直接結合を持ったポルフィリン-フラーレン誘導体を合成した。さらに酸化することで二ヵ所で直接結合を持った誘導体の合成にも成功した。得られた生成物は結晶中でπ電子相互作用によって超分子一次元鎖を形成しており、新たな機能性材料への展開が期待できる結果を得た。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] 2, 5-Thienylene-Bridged Triangular and Linear Porphyrin Trimers2008
Author(s)
Song, J. ; Jang, S. Y. ; Yamaguchi, S. ; Sanker, J. ; Hiroto, S. ; Aratani, N. ; Shin, J. -Y. ; Easwaramoorthi, S. ; Kim, K. S. ; Kim, D. ; Shinokubo, H. ; Osuka, A.
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Journal Title
Angew. Chem. Int. Ed. 47
Pages: 6004-6007
Peer Reviewed
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