2008 Fiscal Year Annual Research Report
combinatorial再構成系を用いたγ-secretaseの構造解析
Project/Area Number |
07J03573
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮下 紘幸 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アルツハイマー病 / γ-secretase / 単粒子解析 |
Research Abstract |
Alzheimer病の発症に深く関与するamyloid構成成分であるAβを産生するγ-secretaseの機能構造解析はその根本的治療薬開発に重要である。本研究では、電子顕微鏡を利用した単粒子解析によって、その巨大膜蛋白質複合体の全体構造を明らかにする事が目的である。本酵素は、多段階の精製により純度は高められたものの、既知の構成因子以外の存在が銀染色で示されており、より均一な複合体を精製するため、膜画分を可溶化する界面活性剤を検討し、その収率と、活性の保持力を検討した。これにより、digitoninによる洗浄操作によりゲル濾過でのピーク幅が減少する事、カラムではなく、BATCH法を用いると、これまでに主に得られていた高分子量複合体に対して中程度の粒子が主な粒子となった。これが活性型複合体の中心、または、最小単位である可能性が高いため、現在、この粒子が複合体構成因子を含むかどうかを電子顕微鏡による観察で確認している。また、本酵素のモデル酵素となるSPPに関して、負染色法による電子顕微鏡像からの単粒子解析により、その3次元構造から、4回回転対称を示唆されていた。これに対して、N末端側を中心に4量体を形成している仮説を立て、その部分のみを精製、観察を行ったところ、これにより、予想通りのサイズの縮小が生化学的にも電子顕微鏡像的にも得られた。さらに、この多量体化が、機能と連関している事を確かめるため、Drosophila SPPに対するS2細胞におけるレポーターアッセイを用いて、外因性にN末端部分を発現させた場合の活性への影響を解析している。現在、系が安定しないため、確定的な事は結論できないが、活性は減少する傾向を見出している。以上の成果は、申請書に記載した内容を達成し、さらに研究が拡大したものである。
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Research Products
(2 results)