2007 Fiscal Year Annual Research Report
Combinatorial再構成系を用いたγ-secretaseの構造解析
Project/Area Number |
07J03573
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮下 紘幸 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アルツハイマー病 / γ-secretase / 単粒子解析 |
Research Abstract |
Alzheimer病の発症に深く関与するamyloid構成成分であるAβを産生するγ-secretaseの機能構造解析はその根本的治療薬開発に重要である。本研究では、電子顕微鏡を利用した単粒子解析によって、その巨大膜蛋白質複合体の全体構造を明らかにする事が目的である。本酵素は、非常に発現量が低く、凍結電子顕微鏡観察に適用する事が困難であったが、培養細胞のscaleを20Lまで増やし、その大量精製を行った所、飛躍的な精製酵素の回収に成功した。これにより、極低温電子顕微鏡法による撮影まで行った。また、本酵素のモデル酵素となるSPPに関して、負染色法による電子顕微鏡像からの単粒子解析により、その3次元構造を得た。また、本精製において、比活性を追う為の、功γ vitroでの活性測定系の検討を、人工合成peptideを基質に用いて行い、感度は低いものの、精製蛋白質の挙動と一致する評価が可能となった。さらに、得られた構造は4回回転対称を示唆するものであった為、BlueNative-PAGEによって、内因性SPPが4量体である事、強制発現SPPが1,2,3,4、8量体を取り、4量体が主たる分子種である事を確かめた。また、これはゲル濾過の結果とも整合する。さらに、ここまではhuman SPPを用いているが、これはSDS-PAGEという強い条件においても、2量体が観察される。そこで、SDS-PAGEにおいて単量体しか観察されないDrosophila SPPを用いて、外因性にtagを付加したSPPと内因性SPPを免疫共沈降する事によっても、この多量体化が生理的に起こっている現象であり、本研究により得られた構造が妥当である事を示すばかりでなく、新規な知見であり、機能との関連を継続して検討中である。以上の成果は、申請書に記載した内容を達成し、さらに研究が拡大したものである。
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Research Products
(2 results)