2009 Fiscal Year Annual Research Report
人間開発政策における教育の役割に関する理論および計量的研究
Project/Area Number |
07J03594
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
米原 あき Tokyo Institute of Technology, 大学院・社会理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 国際開発 / 教育開発政策 / 計量分析 / アフリカ地域研究 / タンザニア / 社会開発政策史 / 政治哲学 / 人間開発論 |
Research Abstract |
平成21年度は、昨年度に引き続き、人間開発論における教育の役割に関する理論を追究すると同時に、人間開発指数に関する計量的なアプローチを試みた。 理論研究については、文献解読を中心として、昨年度に引き続きA.Senの人間開発論に関する理論研究をすすめた。M.Nussbaumの理論などを援用しつつ、人間開発論の中でSenが直接的には言及していない教育の役割-人間開発論における「教育」の目的や形態-について考察した。当該研究成果は、「人間開発論再考:人間開発論における『教育』の位置づけ」と題するペーパーにまとめ、日本比較教育学会で発表し、多くのフィードバックを得た。現在、学会誌投稿に向けて加筆修正を行っている。 計量研究については、平成20年度の研究成果から得た課題-「国連開発計画による『人間開発指数』は人間開発論の真意を正しく反映しているといえるのか」-にこたえるべく、人間開発論の解釈に基づいて、現行の人間開発指数を批判的に再考した。現状では、国ごとに単一指数として算出されている人間開発指数であるが、数カ国のサンプル国の人間開発指数を取り上げ、主成分分析によって複数の要素に分解し、さらに各要素のバランスをレーダーチャートに可視化した。サンプル国ごとに「人間開発の主な要素間のバランス」を明らかにすることによって、「人間開発指数」の示す意味をより包括的に把握することが可能になった。当該研究成果は日本評価学会で発表し、多くのフィードバックを得た。今後さらにサンプル国を増やすことで分析の精度を高め、人間開発指数の新たな活用方法として公表していく予定である。
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Research Products
(3 results)