2007 Fiscal Year Annual Research Report
ジンバブウェにおけるHIV/AIDSの流行と都市女性組織に関する研究
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07J03610
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
飯田 雅史 Kyoto University, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ジンバブウェ / HIV / AIDS / 医療選択行動 / 疾病観 / ライフストーリー / ポストコロニアル / 住民組織 / NGO |
Research Abstract |
本研究の最終的な目的は、住民組織およびNGOの活動に焦点を当てながら、ポストコロニアル期のアフリカ都市社会で生活する女性らが、HIV/AIDSの流行以後に新たなる変容を遂げている都市のジェンダー関係の中で展開する実践を描き出すことである。そこで本年度は前期にアフリカ学会(5月)およびリスクと公共性研究会(7月)において研究発表を行うと共に、『都市地理学』誌に投稿論文を執筆した。学会では前年度に行ったフィールドワークの成果を発表し、研究会においては後期に実施することとなったフィールドワークの展望を発表した。『都市地理学』誌にはこれまでジンバブウェで行ってきた調査を基に、都市の空間構造に関する論文を執筆した(3号に掲載)。後期にはジンバブウェ共和国にて6ケ月間のフィールドワークを実施した。本年度は大統領選挙直前という制約もあり、都市部において自由な調査活動が行えなかった事情があり、これまでの研究との比較調査のために農村部において調査を実施した。北部に位置するグルヴェ県の一農村において、全戸調査、住民の医療選択行動、疾病観、HIV陽性者のライフストーリー、クリニックにおける患者の動態などについて聞き取りを中心に調査を行った。これにより、ジンバブウェにおけるHIV/AIDSをめぐる諸状況が都市部と農村部において非常に異なるものであるということが判明すると共に、共通の課題が浮かび上がってきた。そこで20年度5月には、現地の研究機関と合同でワークショップを開催することにし、本年度の調査の成果を現地研究者らと共有することとなった。これは研究の現地に対するフィードバックを速やかに行うという重要な意義を有している。
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Research Products
(4 results)