2008 Fiscal Year Annual Research Report
ジンバブウェにおけるHIV/AIDSの流行と都市女性組織に関する研究
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07J03610
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宇田 雅史 (飯田 雅史) Kyoto University, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ジンバブウェ / HIV / AIDS / 医療選択行動 / 疾病観 / ライフストーリー / ポストコロニアル / 住民組織 / NGO |
Research Abstract |
本研究の目的は、ジンバブウェにおける住民組織およびNGOの活動に焦点を当てながら、ポストコロニアル期のアフリカ都市社会で生活する女性らが、HIV/AIDSの流行以後に新たなる変容を遂げている都市のジェンダー関係の中で展開する実践を描き出すことである。本年度の前期はジンバブウェ大学にてワークショップを開催すると共に、前年度に実施した調査の補足調査を行った。ワークショップでは、ジンバブウェが今日抱えている様々な問題の中で自分の研究を位置づけることができた。補足調査では農村部におけるHIV感染者のライフヒストリーや感染者グループの情報をより詳細に聞き取ることができ、都市部の感染者、HIVグループとの比較の上で非常に有益なデータを収集することができた。後期には、これまで実施した現地調査のデータを整理し、研究のまとめを行った。その結果、ジンバブウェの都市部と農村部と比較した場合、大きな要素では以下のような2つの特徴を見出すことができた。1)抗レトロウィルス薬へのアクセス-都市部では病院・クリニックと地理的に近く、さらに援助団体やNGOが多く入っており無料で抗レトロウィルス薬を利用しているHIV感染者が多い。一方で、農村部では抗レトロウィルス薬を配布している病院まで遠く、交通費を捻出することが困難な人が多い中で、多くのHIV感染者は抗生物質による治療に依存している。2)治療者グループ-都市部においては感染者グループが活発かつ、オープンに活動を展開しており、その数も多く見られた。一方、農村部においては感染者グループというよりは感染者を含む、HIVによって影響を受けている人全てを対象にしたグループしかなく、感染者に特化したグループは確認できなかった。
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Research Products
(3 results)