2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J03622
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
台坂 淳子 (小南 淳子) National Astronomical Observatory of Japan, 理論研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 微惑星連星 / 惑星集積 / 形成タイムスケール / TNO領域 / N体計算 / 太陽系形成 |
Research Abstract |
本年度は、海王星以遠天体領域(TNO領域)での惑星形成、特に連星形成の影響についての研究を進め、論文を投稿した。TNO領域では、連星が多数発見されていることから明らかなように、地球領域とは微惑星間の相互作用のモードが異なり、連星形成や連星と他の微惑星との相互作用が微惑星の成長・合体のプロセスに本質的な役割を果たしている可能性がある。しかし、従来の連星に関する研究では観測された連星の性質や割合の説明が興味の中心で、惑星成長のプロセス自体への効果は考慮されなかった。このようなまったく未開拓の領域の研究であるため、結果の解析・整理にも新しいアプローチが必要になってくる。以上を踏まえた上で研究内容を論文にまとめ、学会発表を行うところまで研究が進んだのは大きな成果といえる。 投稿論文には、TNO領域での惑星形成過程と地球型惑星領域での惑星形成過程の違いが明記されている。計算コードの開発も順調に進み、複数のパラメータでの計算も可能になった。連星形成のため、TNO領域での惑星集積のタイムスケールが従来のタイムスケールの見積もりよりも数倍短くなる可能性があることがわかった。円盤外縁部での惑星集積のタイムスケールの従来の理論値は長すぎ、惑星形成理論の大きな問題の一つとされてきた。本研究をさらに進めることにより、その問題の解決の糸口を発見できる可能性がある。
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Research Products
(2 results)