2007 Fiscal Year Annual Research Report
眼点と接合装置の相対的位置とオルガネラ遺伝様式から明らかにする緑藻の雌雄性の起源
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07J03633
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
茂木 祐子 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 緑色藻類 / 性分化 / オルガネラ遣伝 |
Research Abstract |
本研究の目的は、緑色藻類の最も古い性分化と考えられる細胞融合部位の非対称性とオルガネラ遺伝様式の関係性を調べることにより、緑色藻類の性の進化を明らかにすることである。 緑色藻類の配偶子は、眼点と細胞融合部位(接合装置)の位置が二つの交配型間で非対称になっている。この細胞融合部位の非対称性は、同型配偶生殖、異型配偶生殖を行う数陣で確認されており、緑色藻類の最も古い性分化の一つである可能性が高い。しかし、この非対称性が雌と雄という二つの性に連鎖するものかどうかは明らかでない。このため、本年度は、同型配偶生殖から異型配偶生殖への進化の途上にあるヒラアオノリを実験材料にし、細胞融合部位の非対称性と、雌雄を特徴付けるとされるオルガネラ遺伝様式の関係性に着目して以下の実験を行った。(1)透過型電子顕微鏡の観察結果から、藻類の細胞融合部位には細胞表面に「接合装置」と呼ばれる特別な構造が存在することがわかっている。しかし、これまで走査型電子顕微鏡(SEM)で観察された例はない。そこで、SEMで細胞表層の接合装置を観察できる新しいサンプル調整法を開発した。これにより、細胞融合部位の非対称性を簡便に調べることができるようになった。(2)本研究で開発したサンプル調整法を用いて、産地の異なる3系統6株のヒラアオノリの配偶子をSEMで観察し、眼点と接合装置の位置関係を調べた。(3)眼点と接合装置の位置関係により決定された交配型とオルガネラ遺伝様式の関係性を調べるために、3系統間のオルガネラDNA多型を探索した。さらに、3系統間6組の交雑を行い、成長した胞子体でオルガネラDNAマーカーの検出を行った。
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Research Products
(4 results)