2007 Fiscal Year Annual Research Report
次世代光ネットワークの実現に向けたニューラルネットワーク適応的信号処理技術の展開
Project/Area Number |
07J03653
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷澤 健 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 光通信 / 偏波モード分散 / 偏波モード分散補償 / 適応信号処理 / 適応制御 |
Research Abstract |
次世代超高速光通信の実現に向けて、偏波モード分散(Poladzation Mode Dispersion:PMD)の適応補償が必要とされている。適応的PMD補償は、可変PMD補償器をフィードバック制御する方式で実現される。補償器とモニタリング手法については、多くの検討がなされている一方、制御の方式(アルゴリズム)については、これまで詳細な検討がなされていない。 我々は、ニューラルネットワークに基づく適応的なアルゴリズムを導入し、補償精度を向上させる提案・検討を行った。フィードバック信号としてDOPを採用し、ステップ幅一定の単純な山登り法を改善したランダムにステップ幅の変化する山登り法をPMD適応補償に適用する。この方式では、通常一定ステップで行う探索のステップ幅がランダムに変化する。これにより、精度を低下させる原因の一つであるローカルマキシマの影響を低減することが期待される。ランダム性としては、様々な検討を行った結果、ガウス分布の確率密度関数に基づくものを採用した。 提案方式の検討のために、160Gb/sの伝送速度で伝送シミュレーションを行った。シミュレーションでは、まず、探索制御空間の図示を行った。これにより、適応的なPMD補償では、その探索制御空間が滑らかではあるものの、ローカルマキシマが存在し、これにトラップされる可能性があることを確認した。次に、提案するステップ幅にランダム性をとりいれた制御アルゴリズムの検証を行った。通常の山登り法との比較実験を行った結果、既存手法ではローカルマキシマにトラップされるものの、提案手法ではローカルマキシマを抜け出し最適な補償を実現できる現象を確認することに成功した。また、統計的な解析を行い、提案手法が最適な補償を実現する確率を向上させることを示した。また、これらの成果を国内・国外の学会で発表するとともに、学術論文誌に投稿を行った。
|
Research Products
(6 results)