2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規抗結核薬の革新的合成:不斉四置換炭素構築型ビニル化反応の開発と展開
Project/Area Number |
07J03662
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
冨田 大介 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 有機合成化学 / 不斉触媒 / アルケニル化 / アリール化 / 不斉リン配位子 |
Research Abstract |
医薬品の革新的合成に向け、新規抗結核薬の合成と共に成長ホルモン促進として期待されているSM-130686の不斉合成研究にも現在取り組んでいる。これらの医薬品合成においては、鍵となる不斉炭素の構築においては新規不斉反応の開発が必須である。SM-130686は成長ホルモン促進剤として期待されており、これまでの薬剤とは、次の二点で一線を画している。すなわち(1)非ペプチド型の化合物である点(2)経口投与による薬剤の体内導入が可能である点である。一方、構造活性相関研究によれば、不斉炭素上の置換基によって大きく活性が異なることが判明している。この点でも多様性を持たせ得るとともに、不斉四置換炭素を直接構築できる触媒的不斉反応を用いた短工程合成計画は意義深いものである。 そこで不斉反応のモデルとして、イサチンを用い新規触媒的不斉反応の条件検討を行った。その結果、奥深い不斉空間の構築を意識し設計した新規リガンドと1価CuF触媒、適切な添加剤を組み合わせることで、良好な収率・エナンチオ選択性にて鍵となる不斉四置換炭素の構築に成功した。不反応に関するデータは現在論文投稿準備中である。引き続き新規不斉反応の開発を行い、新規構結核薬の合成に応用する予定である。
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Research Products
(1 results)