2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規PDK1結合タンパク質によるPDK1/Akt経路の制御
Project/Area Number |
07J03692
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 鑑斗 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Aki1 / PDK1 / Akt / 足場タンパク質 / EGF / トランスジェニックマウス / リン酸化 |
Research Abstract |
がん細胞の増殖シグナル伝達系の代表的なものとして、PI3K/PDK1/Akt経路が知られている。本研究では新規PDK1結合タンパク質を同定し、Aki1[Akt kinase(PDKI)-interacting protein 1]と命名した。そして、Aki1がEGFシグナル選択的にPI3K/PDK1/Akt経路で足場タンパク質として働き、細胞の生存・増殖を促すことを明らかにしてきた。 こうした分子生物学的な成果を踏まえ、次にはAki1の生理的な意義を明らかにするべく、ヒトAki1を全身性に発現するトランスジェニックマウス(以下、Aki1-Tgマウス)の作製を行った。これまでの培養細胞レベルでの解析では、足場タンパク質であるAki1を過剰発現させるとAktのリン酸化は抑制された。この結果を考慮すると、Aki1がマウス個体内でもPDK1/Akt経路の足場タンパク質として機能しているならば、Aki1-TgマウスのフェノタイプはAktのノックアウトマウス(KOマウス)のフェノタイプと類似する可能性が予想された。実際に、生まれてきたAki1-Tgマウスは野生型マウスに比べ個体のサイズが小さかった。それだけでなく、マウスの臓器を用いてウエスタンブロットを行ったところ、いくつかの臓器でAktのリン酸化レベルの減弱が認められた。Aktには3つのアイソフォームが存在し、それぞれのKOマウスは、Akt1-全身サイズの縮小、Akt2-高血糖、Akt3-脳発達障害というフェノタイプを示すことが知られている。Aki1-TgマウスのフェノタイプはAkt1-KOマウスのものとよく似ており、Aki1がマウス個体内でPDK1/Akt1経路の足場タンパク質として機能していることが示唆された。今後、Aki1-Tgマウスで糖代謝や脳の発達に変化が見られるかを検討していく必要がある。
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Research Products
(5 results)