2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J03697
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小郷原 一智 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 火星 / ダストストーム / 物質輸送 |
Research Abstract |
平成20年度の前半は、火星におけるダストストームの拡大に対して、火星大気の凝結、すなわち大気質量の季節変化がどれほど影響を与えるかを調査した。これは、火星におけるダストストーム拡大地域マップを作成する上て、モデルに備え付けるべき物理過程を選定するために行った。その結果、火星の極地方における大気質量の変化は、中緯度地上1km以下の高度範囲において、極向きの風を大き、く増大させることがわかった。したがって、私が用いるモデルには火星大気の凝結に対応する、大気質量の変化を組み込まなくてはならないと言える。そこで、モデルに大気質量の変化を表す地表気圧変化項を組み込み、年度の後半で火星におけるダストストーム拡大地域マップを作成した。その結果、北半球春分においては1)高地、2)中緯度、で早く拡大する傾向があった。一方、大盆地や3方を高地に囲まれた地域では、あまり広がらない傾向があった。このことは、1)火星にはダストストーム拡大地域というものかおる、2)発生した小さなダストストームが運良く拡大地域に入ることができたダストストームは発達することができ、拡大地域に入ることができなかったダストストームはそのまま収束する、ということを示唆している。あまり論じられてこなかった、大規模ダストストームの拡大原因に直接迫る数値計算であるという点で、意義があると考える。
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Research Products
(6 results)