2007 Fiscal Year Annual Research Report
イネα-アミラーゼのプラスチド局在化メカニズムの解明
Project/Area Number |
07J03701
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
北嶋 彩 Niigata University, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | オルガネラ / タンパク質輸送 / シグナル配列 / デンプン分解 |
Research Abstract |
これまでの研究から、イネα-アミラーゼI-1はプラスチドに局在し、その局在化にはアミノ酸300〜369残基が必要であることが分かっていました。イネα-アミラーゼI-1ポリペプチド鎖に存在するプラスチド局在化シグナルを同定するため、他のイネα-アミラーゼアイソフォームとアミノ酸配列を比較しました。アミノ酸300〜369残基の中で配列が異なっているアミノ酸残基は3箇所あり、これらのアミノ酸残基が局在化に重要と推測しました。これらのアミノ酸残基に部位特異的変異を導入したイネα-アミラーゼI-1遺伝子とGFPとの融合遺伝子をパーティクルガン法によりタマネギ表皮細胞に導入し、融合タンパク質を一過的に発現させ、その細胞内局在を観察・比較しました。さらに、この融合タンパク質のプラスチド局在化能力を定量しました。 その結果、変異を導入した融合タンパク質のプラスチド局在化能は、いずれも同程度に低下しました。このことから、イネα-アミラーゼI-1のプラスチド局在化には一部のアミノ酸残基だけが重要なのではなく、全体的な配列や立体構造が重要であると考えられました。 また、これまでの観察結果から、ゴルジ体とプラスチドの間に何らかのコミュニケーションが存在することが明らかになっていました。本年度は、ゴルジ体とプラスチドの動態を、共焦点レーザー顕微鏡を用いてリアルタイムでさらに詳細に解析しました。タマネギ細胞を用いた一過的発現観察で、3次元タイムラプス画像を立体的に再構築し、プラスチド内にトランスゴルジ膜を標識した蛍光シグナルが取り込まれる様子を示しました。 並行して、イネ細胞においてもゴルジ体とプラスチドの動態をリアルタイムで解析すべく、イネ細胞のリアルタイム観察系を確立しました。ビブラトームを用いて再分化したイネ培養細胞の切片を作製しました。今後、イネ細胞におけるゴルジ体とプラスチドのリアルタイム解析を行う計画です。
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Research Products
(2 results)