2011 Fiscal Year Annual Research Report
イネα-アミラーゼのプラスチド局在化メカニズムの解明
Project/Area Number |
07J03701
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
古賀 彩 新潟大学, 自然科学系, 特別研究員(PD)
|
Keywords | オルガネラ / アミラーゼ / 葉緑体 / ゴルジ体 |
Research Abstract |
イネα-アミラーゼI-1ポリペプチド鎖に存在するプラスチド局在化シグナルの同定 AmyI-1ポリペプチド鎖の結晶構造解析を行いW302Lの変異が立体構造に与える影響を明らかにするために、大腸菌発現系によるAmy=-1の大量発現と精製を試み、大腸菌発現系で発現されたAmyI-1は、β-シクロデキストリン-アフィニティークロマトグラフィーにより精製できることが確認できました。さらに、結晶構造解析を行うために大量発現・精製を行いました。しかし今回は、結晶構造解析を行うのに十分な大きさの結晶を得ることはできませんでした。より効率的な実験条件を検討し、結晶構造解析を行い、プラスチド局在化シグナルと予測される領域の立体構造を明らかにする計画です。 ゴルジ体-プラスチド間コミュニケーションに関わるタンパク質因子の同定と機能解析 ゴルジ体-プラスチド間のコミュニケーションのメカニズムを解明するため、AmyI-1のプラスチドへの輸送に関わるタンパク質因子を同定しようとしています。現在、この輸送に関わるタンパク質因子の候補として、2つのタンパク質の解析を進めています。ひとつはプラスチド包膜に存在する膜タンパク質OsLACS9です。OsLACS9-GFPを発現させたタマネギ細胞においてはAmyI-1のプラスチドへの局在化が抑制されるという結果が得られたことから、AmyI-1のプラスチドへの輸送に関わっている可能性があります。もうひとつは、ゴルジ体に存在する膜タンパク質EMP70です。EMP70はAmyI-1を過剰発現させたイネ培養細胞において、その発現量が増加することが示されました。AmyI-1を過剰発現させた細胞では、ゴルジ体の数や形態が変化しており、プラスチドへのタンパク質輸送に特化したゴルジ体が多く存在しているのではないかと考えています。OsLACS9やEMP70のミュータントや発現抑制体を用いて、これらのタンパク質がAmyI-1のプラスチド局在化に与える影響を調べています。まだメカニズム解明には至りませんが、今後、これを足掛かりにして詳細なメカニズムが明らかになることを期待しています。
|