2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入法・RNAi法をもちいたミツバチ脳キノコ体神経発生の分子基盤の解析
Project/Area Number |
07J03725
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邊 崇之 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 脱皮ホルモン受容体 / AF1転写活性化ドメイン / マイクロドメイン構造 / 転写因子コファクター |
Research Abstract |
本研究では、昆虫における変態期の組織再構成・神経回路再構築に重要な機能をもつ脱皮ホルモン受容体に着目し,そのN末端転写活性化ドメインの構造的・機能的進化を解析している。昨年度までに,N末端転写活性化ドメインに進化的に保存された複数のマイクロドメイン構造を見出している。今年度は、昆虫の脱皮ホルモン受容体(EcR)のN末端転写活性化ドメインの転写調節機能を解析する目的で、(1)細胞内一分子イメージング法(Fluorescence Correlation Spectroscopy ; FCS)をもちいた脱皮ホルモン受容体B1アイソフォームN末端転写活性化ドメインの他因子との相互作用様式の解析、および(2)ルシフェラーゼアッセイをもちいた脱皮ホルモン受容体N末端転写活性化ドメインの機能解析をおこなった。さらに,(3)Pull-down assayをもちいた脱皮ホルモン受容体B1アイソフォームN末端転写活性化ドメイン相互作用因子の検出をおこなった。(1)の結果,ショウジョウバエS2培養細胞細胞核において,完全変態昆虫に固有な(K/R)RRW motifがタンパク質間相互作用に関与することが明らかとなった。(2)の結果,N末端転写活性化ドメインに存在する進化的に保存されたマイクロドメイン構造の中から,ショウジョウバエS2培養細胞において転写促進活性をもつマイクロドメイン((K/R)RRW motifなど),転写抑制活性をもつマイクロドメイン(SUMO化モチーフなど)を見出した。さらに,(3)において、ショウジョウバエS2細胞抽出液より,(KIR)RRW motifと相互作用する約70kDaのタンパク質を検出・分離した。これらの結果によって,昨年度までの分子進化学的解析に機能的な裏付けがなされた。本研究の一連の成果によって,脱皮ホルモンへの細胞レベルの応答様式が完全変態昆虫において進化したことを示すことができた。
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Research Products
(4 results)