2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J03727
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
CADATAL Marilou The Graduate University for Advanced Studies, 物理科学研究科, 特別研究員PD
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Keywords | 真空紫外発光 / フッ化物 / 結晶成長 / レーザー / シンチレーター / マイクロ引き下げ法 |
Research Abstract |
半導体製造・光通信といった産業応用から理学まで幅広い分野で取り扱いが容易な波長可変全固体の紫外・真空紫外光源が求められている。平成20年度は、昨年度、真空紫外発光材料候補であることを示したNd^<3+>:(La_<1-x>,Ba_x)F_<3-x>をはじめNd^<3+>を添加したフッ化物(Nd^<3+>:LaF_3、Nd^<3+>:YLiF_4)の光学特性を調べた。試料の作成では東北大学多元物質科学研究所・福田研究室に協力を仰ぎ、マイクロ引下げ法による高純度・品位結晶を得られた。その結果を以下にまとめる。 1.Nd^<3+>:(La_<1-x>,Ba_x)F_<3-x>の時間分解発光スペクトルを測定し、発光寿命が6.1nsと短寿命であった。 2.Nd^<3+>:LaF_3、Nd^<3+>:YLiF_4の時間分解発光スペクールを測定した。前者の場合、発光波長175nm(幅8nm)、発光寿命8.91ns、後者の場合、発光波長181nm(幅2nm)、発光寿命21.79nsであった。 3.3種類のフッ化物の癸光特性を比較した結果、Nd^<3+>:YLiF_4はその発光寿命の長さからレーザー材料としての可能性があることがわかった。Nd^<3+>:(La_<1-x>,Ba_x)F_<3-x>は発光波長の可変性からレーザー材料としての可能性が期待できるだけでなく、発光寿命の短さからシンチレーターとしての応用も期待できることが分かった。Nd^<3+>:LaF_3の場合は、Nd^<3+>:(La_<1-x>,Ba_x)F_<3-x>に比べ波長可変性としては劣るものの発光寿命は長いのでレーザー材料としての応用が期待できる。 これらの結果は、真空紫外光源ひいては紫外・真空紫外領域で動作するLED開発にむけて非常に重要な光学特性であり、大変意義のある成果が得られた。
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Research Products
(11 results)