2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規機能性生物発光プローブの創製とこれを用いたin vivo病態イメージング
Project/Area Number |
07J03749
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高倉 栄男 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 生物発光 / BRET / solvatochromism / タンパク質相互作用 |
Research Abstract |
fireflyの発光酵素は基質特異性が高いと考えられていたため現在までのところ発光基質の骨格に全く多様性がなかった。そこで生物発光基質の骨格を様々に改変することでこれまでにない特性を持った発光基質の開発に取り掛かった。私は基質の部分構造のうちbenzothiazole骨格に着目し、この部位をquinollne、naphthalene、coumarin骨格へと改変したときの性質を精査した。その結果、coumarin骨格をもった基質の1つであるCALがこれまで報告されている発光基質の中で最も短波長の極大波長(約500nm)を示すことが明らかとなった。現在用いられている発光基質は酵素のmutantや測定条件(環境)によって発光スペクトルが変化することが知られているが、後者の性質は信頼性のある測定をする上では望ましくない。先に示したCALの蛍光特性を精査したところsolvatochromismを示さなかったため発光スペクトルの変化が起こらないことが予想された。実際に酵素のmutantを用いて性質を確認したところ、発光スペクトルの変化が起こらないことが明らかとなり、有用な性質をもった基質であることが示された。CALのこれらの特性を利用して、タンパク質相互作用を検出するために用いられているbioluminescence resonance energy transfer(BRET)の系へと応用した。従来までは波長の性質上BRETペアとして不適であった黄色蛍光タンパク質(YFP)を用いたBRET系の確立を目指した。fireflyの発光酵素とYFPを結合させたタンパク質を作製しCALを用いてアッセイを行ったところ、効率良いBRETシグナルが観測され、世界で初めてfireflyの発光酵素とYFPによるBRETに成功した。
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