2007 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルス増殖抑制に関連するIFNシステムの検討
Project/Area Number |
07J03755
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
常 金海 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / インターフェロン / Interferon stimulated genes: ISGs / knockdown / PKR / MxA / 2',5'-AS |
Research Abstract |
宿主自然免疫系は、C型肝炎ウイルス(HCV)を認識し、内因性インターフェロンを誘導する。インターフェロンにより誘導される遺伝子(Interferon stimulated genes:ISG)産物にはウイルス増殖を抑制する重要な役割がある。代表的なISGであるPKR,MxA,2'、5'-ASがHCV増殖に及ぼす効果は明らかでない。一方、C型肝炎ウイルス感染者の多くが慢性化することより、C型肝炎ウイルスが内因性インターフェロン産生系を効率的に阻止するエスケープ機構を有していると考えられる。C型肝炎ウイルス感染における内因性インターフェロン産生系としては、今までのところ「TLR3を介する経路」と、「RIG-Iを介する経路」の2つが知られており、いずれも最終的に、インターフェロン誘導に重要な役割を果たしているIRF3,IRF7を介する。しかし、この経路を構成する分子の抗C型肝炎ウイルス効果に対する重要性も明らかにはされていない。そこで、われわれは、HCV増殖に対するPKR,MxA,2'、5'-AS,およびTLR3経路とRIG-I経路を構成する分子の働きをHCVサブゲノムレプリコンおよび全長HCVゲノムJFH1を用いて検討している。 IFN誘導遺伝子PKR,OAS,MxAのHCV増殖抑制に対し実施した検討: PKRについての研究を論文化した上、発表するようにしている。OASについての研究も論文化した上、発表するようにしている。MxA,については論文化しながら、さらにMxAのHCV増殖抑制メカニズムを検討している。また、各分子の抗HCV効果の相互作用を検討するために、PKR,OAS,MxAを同時にknockdownするsiRNA発現ベクターを作成した。 内因性IFN産生系の分子TLR3,RIG-I,IRF-3,IRF-7のHCV増殖抑制に対し実施した検討: TLR3,RIG-Iについて、各分子をknockdownするsiRNA発現ベクターの作成した。また、Huh7細胞株でのTLR3,RIG-I発現を続けて検討していた。IRF-7をknockdownするsiRNA発現ベクターの作成ができなかったため、続けて検討していた。Huh7細胞株でのIRF-3を確認済み、発現IRF-3がknockdownされたHuh7細胞株を樹立し、確認するために各細胞株の蛋白質を回収した。
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Research Products
(6 results)