2007 Fiscal Year Annual Research Report
フラストレーションを持つカイラル液晶系の理論的研究
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07J03760
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 洋人 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 計算物理学 / 境界条件 / 数値シミュレーション / 液晶 / ソフトマター / 連続体モデル / 弾性論 / TGB相 |
Research Abstract |
昨年度研究したことは大きく分けて、 ・最大エントロピー法による境界条件の研究 ・液晶の欠陥構造の数理モデルの解析の2つである。共に、今年度の研究成果の礎となりうるものである。 ・最大エントロピー法による境界条件の研究 昨年度は、以前からの研究をさらに発展させた。一昨年度に私は経験的な立場からスキームの研究を行なった。しかし、計算物理学に高いインパクトを与え、最大限の波及効果を得るためには、このスキームの信頼性や一般性を向上させる必要がある。そのために私は、スキームに用いる方程式の理論的導出を考案してメソッドの必然性を高め、様々なパターンで計算して安定性を検討した。結果として、スキームに含まれる自由パラメータの個数を1つにまで減らせることが出来た。また安定性については現在解決中である。途中経過のあらましは物性研究に掲載した。また、国際会議Statphys23並びに京都大学基礎物理学研究所における研究会「コロイド物理学の新展開」においてポスター発表した。 ・液晶の欠陥構造の数理モデルの解析 大きな目的は液晶のNL*相の理論的理解である。しかし、これには熱揺らぎとそれに起因する非周期的な変形モードを取り入れる必要があるため、解析的計算による理解の方が有利である。そのためには、熱によって揺らぐ前のTGB相の構造を解析的に解く必要がある。私は、低カイラリティ&高温領域に対象を絞って摂動的に構造解析をした。現在、その解析結果の妥当性を検討中である。
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Research Products
(9 results)