2007 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚内部の微細構造を規範としたMEMS触覚センサに関する研究
Project/Area Number |
07J03860
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野田 堅太郎 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 皮膚構造 / 触覚センサ / ピエゾ抵抗素子 / 薄膜シリコン構造 / MEMS |
Research Abstract |
本年度は研究目標のうち、弾性体中に薄膜シリコンセンサの作成プロセスの確立および自動ステージを用いたなぞり動作システムの構築し、これを用いて皮膚構造がセンサに与える影響を検証した。 薄膜シリコンセンサを作成する手法として、シリコン転写プロセスを導入した。本手法はフッ酸蒸気にてSilic on onInsulator(SOI)基板表面に作成した微小ピエゾ抵抗カンチレバーをリリースし、これにシリコーンゴム基板を押し付けることで微小カンチレバー郡を転写するという手法である。本手法は、転写作業を繰り返すことで微小な基板上に作成したデバイスを広いシリコーンゴム上に展開できるという利点があり、広面積の触覚センサシートを作成する上で有効である。また曲げに強い素材のみを用いることで、曲面の多いロボットハンドを覆う上で有効となる。これは、厚み2mm、7×7mm2の構造に8対のカンチレバーが配置されており、人親指と同様の半径10mm程度の曲面に貼り付けることが可能である。この成果はAPCOT2008およびRoManSy2008にて発表する予定である。 またなぞり動作のパラメータとして、押し付け力、なぞり速度、センサと押し付け位置の関係の3点をパラメータとして設定したシステムを構築し、これを用いて皮膚形状がなぞり動作に対してどのような影響を与えるかの検証を行っている。皮膚形状をモデル化し、各パラメータを変化させた際の影響を調査した。皮膚形状の影響を検証するに当たっては、SOI基板上に作成したピエゾ抵抗カンチレバーのチップをフレキシブル基板上に配置したものを用いている。試作したなぞりセットアップおよび触覚センサにて、幅0.6mmの凸形状を押し付け力0.5N,速度5mm/sでなぞり、作成したセットアップおよびセンサを用いることで前述した通り、0.6mmピッチまでの形状を検出することが可能であることを確認した。今年度には、同セットアップを用いることで皮膚状構造がセンサ応答に与える影響を確認し、その結果を元になぞり動作を実現する触覚センサを実現する。
|