2007 Fiscal Year Annual Research Report
宿主染色体との協調的相互作用による分解プラスミドのゲノム機能に関する研究
Project/Area Number |
07J03864
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮腰 昌利 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 分解プラスミド / Pseudomonas / ゲノミックアイランド / マイクロアレイ |
Research Abstract |
原核生物のトランスクリプトームは、培養条件などの生理学的パラメータへの応答だけでなく、一般にプラスミド、トランスポゾン、ファージなど可動性遺伝因子の水平伝播を介したゲノム構成の変化とともに遷移する。Pseudomonas putida KT2440においてIncP-7群プラスミドpCAR1を保持することによって転写活性化される機能未知遺伝子parIは、プラスミドの能動的分配に関与するParA familyタンパク質に類似するATPaseドメインを有するタンパク質をコードしている。KT2440株の近縁種であるP.putida F1株との比較ゲノム解析の結果、parIはカデコール代謝オペロン下流の遺伝子内に挿入されている59,774bpのゲノミックアイランド内に存在することが明らかになった。このゲノミックアイランドには核様体構成タンパク質H-NSホモログやSalmonella genomic island 1やPseudomonas aeruginosa ExoU island Aなどの他のゲノミックアイランドにも見られるDNA修復系タンパク質がコードされていた。また、ゲノミックアイランドの末端にはBurkholderia xenovorans LB400のゲノミックアイランドと類似するインテグラーゼ様遺伝子がタンデムに並ぶ遺伝子構造が見られた。また、IncP-7群プラスミドによるparIの転写誘導機構に関して、その転写活性化にはParI自身が必要であり、さらにpCAR1にコードされるParAの発現が引金になることが既に明らかになっている。大腸菌におけるtwo-hybrid解析によりParIとParAがタンパク質間相互作用することが示され、由来が異なるParA familyタンパク質間の相互作用が明らかになった。
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