2008 Fiscal Year Annual Research Report
宿主染色体との協調的相互作用による分解プラスミドのゲノム機能に関する研究
Project/Area Number |
07J03864
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮腰 昌利 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 分解プラスミド / Pseudomonas / マイクロアレイ / プラスミド分配 / 接合伝達 |
Research Abstract |
原核生物のトランスクリプトームは、培養条件などの生理学的パラメータへの応答だけでなく、プラスミドの接合伝達等によるゲノム構成の変化とともに遷移する。Pseudomonas putida KT2440においてIncP-7群プラスミドの能動的分配に関与するParAによって転写活性化される機能未知遺伝子parIは、約60kbのゲノミックアイランド内に存在し、ParA familyタンパク質に保存されているATPaseドメインを有するタンパク質をコードしている。遺伝学的解析によりParIがIncP-7群プラスミドを不安定化させるKT2440株特異的宿主因子であることを明らかにした。parSの数が多いほどParIによる不安定化の影響を受けやすいことから、プラスミド分配過程におけるParB-parS複合体を介したプラスミド分子対合の存在が強く示唆された。次の課題として、供与菌と受容菌の混合物から接合伝達過程において一過的に誘導される転写産物を検出することを試みた。接合伝達効率が極めて高いIncP-1α群プラスミドRP4のP.putida KT2440間の接合伝達を用いた。RP4自身にコードされるリプレッサー群により転写抑制されているオペロン群が新規に伝達された受容菌において顕著に転写誘導されること(zygotic inducdon)、さらに供与菌においても顕著に転写誘導される遺伝子群が存在することが明らかになった。また、接合伝達の際には宿主染色体では顕著な転写変動は起こらないことが示された。
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