2007 Fiscal Year Annual Research Report
カンボジア農村の柔構造性と死別・離別女性:相互扶助機能の社会経済的基礎とその限界
Project/Area Number |
07J03875
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 奈穂 Kyoto University, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カンボジア / 女性世帯主世帯 / 農村就業構造 / ジェンダー / 危機回避 |
Research Abstract |
カンボジアにおける死別・離別女性の世帯の経済所得は,欧米や日本とは対照的に,夫がいる一般の世帯よりも相対的に高い。本研究では,農村における死別・離別女性を支える村の社会,経済機能とはどういうものなのかを,主に一農村における長期の定着調査によって明らかにすることを目的とする。 平成19年度は,主にカンボジア農村におけるフィールド調査を実施した。平成19年4月から12月まで(2回の一時帰国を含む),現地に滞在し,シェムリアップ州の農村での定着調査および首都プノンペンで資料蒐集を行った。農村調査では主に質問票を用いた世帯調査(悉皆調査:204世帯)を実施し,各世帯の収支,所得を支える就業構造,経済状況に影響を与える土地所有(土地相続・再分配),それら所得や資産を支える親族や社会関係についての質問を行った。また各省庁において,第二次資料の収集を行った。 一時帰国中には,論文を執筆し,調査中盤のまとめとした。帰国後は収集データの整理,分析を行い,新たな論文執筆のための準備を進めている。 長い内戦により,カンボジアの農村社会経済研究は非常に限られたものとなっている。長期の定着調査により得られたデータをもとに,カンボジア農村の社会経済的特徴を描き出していくことは,カンボジア研究に対する非常に大きな貢献となるであろう。
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Research Products
(2 results)