2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J03900
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
蓑輪 陽介 Kyoto University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | メタマテリアル / テラヘルツ / 分光 |
Research Abstract |
テラヘルツ周波数領域において、メタマテリアル試料の光学定数を抽出する手法を確立実証した。透過型テラヘルツ時間領域分光法および反射型テラヘルツ時間領域分光法を組み合わせることで、試料の持つ複素誘電率と複素透磁率を同時に求める実験解析手法を提案し、実際に金属ワイヤグリッド構造のメタマテリアルとしての光学定数を明らかにした。さらにこの光学定数を物理的に理解するための理論モデルを構築した。これら研究成果について論文として出版した(Optics Express 16,4785-4796(2008).)。また、テラヘルツ時間領域全反射減衰分光装置を構築しメタマテリアル試料の測定を行った。現在、この結果についての解析を行っている。 メタマテリアルの局所電磁場の理解の際には、そこに見られる応答が電気的なのか磁気的なのかという実験的理論的な評価が必要不可欠である。そこで当初の研究計画に先立ち、試料の複素誘電率と複素透磁率を抽出する実験的解析的手法の確立を目指した。特に試料の対称性が非常に良い場合には、垂直透過及び垂直反射の実験からすべての光学定数を決定できることを示した。また、磁気メタマテリアルや左手系メタマテリアルのような対称性の低い構造の局所電磁場の解析には、さらに別の実験手法を組み合わせること有効であると考えられる。従って、テラヘルツ時間領域全反射減衰分光法を用いて比較的対称性の低いメタマテリアル試料の測定を行った。この結果についての詳細な解析を現在行っている。このようなメタマテリアル試料の電気的応答と磁気的応答の選別はメタマテリアル中の局所電磁場の理解、制御の基礎となる重要な研究であると考えられる。
|