2007 Fiscal Year Annual Research Report
中温領域で高プロトン伝導性を示す固体電解質の開発およびその燃料電池への応用
Project/Area Number |
07J03915
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
室山 広樹 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 中温作動燃料電池 / 固体電解質 / プロトン伝導体 / 無機酸素酸塩 / 複合体 |
Research Abstract |
1 CsH_5(PO_4)_2を用いた複合体における界面相互作用と他の物性との相関 CsH_5(PO_4)_2を用いた複合体においてマトリックスによって複合体の導電率が異なることが明らかとなっており、これはCsH_5(PO_4)_2とマトリックスの界面相互作用に起因すると考えられる。そこで、本研究では界面相互作用を検討するために、溶融状態のCsH_5(PO_4)_2とマトリックスの接触角を測定した。マトリックスにはSiP_2O_7及びSiO_2を用いた。その結果、CsH_5(PO_4)_2とSiP_2O_7の接触角は小さく、濡れがよいことが明らかとなった。一方、CsH_5(PO_4)_2とSiO_2の濡れは悪く、親和性が低いことが示された。この結果はCsH_5(PO_4)_2とマトリックスとの界面相互作用の違いを反映した結果と考えられる。 2 新規なリン酸塩を用いた複合体の作製 これまでにCsH_2PO_4/SiP_2O_7複合体において、これらの構成材料の界面でCsH_5(PO_4)_2が生成することが報告されている。そして溶融状態のCsH_5(PO_4)_2がこの複合体の高いプロトン伝導性に寄与する。そこで、本研究ではRbH_2PO_4やKH_2PO_4とSiP_2O_7を複合化させ、導電率測定、物性測定からCsH_2PO_4/SiP_2O_7複合体で観察された特異な現象が発現するかを検討した。その結果、Rb塩、K塩を用いた複合体においても、Cs塩と同様にSiP_2O_7との反応が起こり、それぞれRbH_5(PO_4)_2、KH_5(PO_4)_2の生成が確認された。これらの複合体の導電率はCsH_2PO_4/SiP_2O_7複合体と同程度であり、燃料電池への応用が期待される。
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Research Products
(6 results)