2008 Fiscal Year Annual Research Report
地域の環境的自立に向けた社会システム構築のためアプローチ手法の提案
Project/Area Number |
07J03925
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
氏原 岳人 Okayama University, 大学院・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | キャップ&トレード制度 / 環境バラシス / エコロジカル・フットプリント指標 / 都市撤退 |
Research Abstract |
本年度は、"地域の環境的自立"に向けた社会システムを構築するために、まず都市・地域計画における実務レベルでの環境バランスの改善策について検討を行った。具体的には、岡山県津山市を対象として、国土審議会などで、その重要性が指摘されている「都市コンパクト化」や「低未利用地などの再利用(空間リサイクル)」に着目して、施策実施効果を環境バランスの視点から定量的に評価した。また、津山市都市計画担当者と協議の上、これら成果を津山市のまちづくりの方向性を定める都市計画マスタープランに反映させた。その一方で、都市や地域は多種多様な地区によって構成されており、各地区の特性にあった整備が求められる。そこで、スプロール市街地や計画的開発市街地などの都市整備手法の異なる地区を対象として、人口減少下における都市撤退を考慮した上で、環境バランスを改善させていくためには、具体的にどのような整備を実施すべきであるのかについても、定量的な分析結果とあわせて明示した。以上のような分析にあわせて、上記の施策を実現するためには、各自治体ヘインセンティブを与えるようなシステムの構築も重要となる。 そこで、近年着目されている排出権取引制度などの経済的手法に着想を得て、エコロジカル・フットプリント指標を用いた地域間キャップ&トレード制度を新たに提案し、複数の自治体を対象としてその適用を試みた。この制度は、従来型の温室効果ガスだけを対象としたものではなく、エコロジカル・フットプリント指標を用いることで土地利用をベースとした幅広い環境負荷を対象とすることを可能としている。また、基礎自治体を取引対象とすることで、環境バランスの改善を目指す中で、各自治体ヘインセンティブを与える仕組みとなっている。また、岡山市や津山市などの環境バランスの異なる自治体を対象に実際に取引制度が運用された場合の環境負荷(フットプリント)の取引価格も試算した。
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Research Products
(7 results)