2007 Fiscal Year Annual Research Report
地域の環境的自立に向けた社会システム構築のためアプローチ手法の提案
Project/Area Number |
07J03925
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
氏原 岳人 Okayama University, 大学院・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | エコロジカル・フットプリント指標 / 人口減少社会 / 地域の環境的自立 / 都市撤退 / 地産地消 / 都市内自己水源 / 環境負荷 |
Research Abstract |
本年度は、"地域の環境的自立"に向けた社会システムを構築するために、まず対象地域の各種地区構成を十分に考慮した上で、異なる地区間における環境負荷量や、それを受け入れるだけの資源量(環境受容量)との環境なバランスについて検討した。 そのための指標として、人間活動に伴う様々な環境負荷(食料消費やCO_2排出等々)を土地資源面積に換算して評価できるエコロジカル・フットプリント指標を用いた。この指標は、ある特定の範囲を対象とした場合、都市部から主に発生する環境負荷量に対して、農村部等に存在する農地や森林地等の環境負荷吸収地(環境受容量)をどの程度準備できているのか、それら環境バランスを同次元(面積単位)で比較・検討できる。 まず多種多様な地区から構成される地方中心都市である岡山市を対象として、地区レベルでの環境負荷量と環境受容量との比較を行い、地区特性ごとの地域内での環境的位置づけを明確にした。一方、人口減少社会においては、郊外部からの"都市活動の撤退"現象が懸念されている。そこでエコロジカル・フットプリント指標を用いて、地区特性(都市整備手法)が都市撤退に及ぼす環境的な影響を明らかにした。 また、既存のエコロジカル・フットプリント指標は、水資源利用に伴う環境負荷は除外されている。そこで、独自に開発した水資源利用を対象としたウォーターサプライ・フットプリント(WSFP)指標を用いて、地区特性ごとの水利用バランスを検討した。あわせて都市内自己水源に着目し、各地区の可能代給量及び潜在的需要量を把握した。 さらに、"地域の環境的自立"に向けた取組み事例として、地産地消型朝市に着目し、来訪者の行動や意識構造を定量的に明らかにした。 以上より、"地域の環境的自立"に向けた社会システムの構築のための第一段階として環境負荷を包括的に捉え地域を構成する多様な地区の環境バランスを明確にした。
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Research Products
(8 results)