2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J03935
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
深澤 知 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 射影代数多様体 / ガウス写像 / 正標数 / reflexivity / 射影双対性 / ガロア点 |
Research Abstract |
研究課題「正標数の視点によるガウス写像の射影幾何」に関して本年度は,ガウス写像の構造理論を構築すること,及び付随する研究課題として,ガロア点の射影幾何を解析することを目指した. ガウス写像の構造理論に関する結果として,楫元氏(早稲田大学)との共同研究により,論文[1]"Any algebraic variety in positive characteristic admits a projective model with insepa rable Gauss map"を執筆した.[1]では,正標数の場合に,与えられた代数多様体に対して射影モデルのガウス写像の微分のランクがどのような値を取り得るか,を完全に決定した.特に,任意の代数多様体はガウス写像のランクが零となるような射影モデルをもつことを示した.そのひとつの応用として,次元が3以上の任意の代数多様体は,ガウス写像の分離性と射影双対性の関係に対して提示された,Kleiman-Pieneの問題の反例となる射影モデルをもつことを明らかにした,次に同型を保って埋め込んだ場合に対するガウス写像のランクの取りうる範囲の考察として,射影空間の積に対してガウス写像のランクが零となる埋め込みをもつかどうかを議論した.そして実際に,標数が3以上の時には,射影空間の積にはそのような埋め込みが存在しないことを示した. ガロア点の射影幾何に関する結果として,論文[2]"On the number of Galois points for a plane curve in positive characteristio, III"を単著で執筆した.標数pが正の時,次数dの非特異射影曲線上のガロア点の分布は,pがd-1を割るときには(特殊な場合を除き)明らかになっていなかった.著者はp>2の時に,曲線上のガロア点の分布を完全に決定した.さらにp=2の場合にはその個数の可能性を限定し,複数のガロア点をもつ曲線を新たに発見した.
|
Research Products
(8 results)