2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J03935
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
深澤 知 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 射影代数多様体 / ガウス写像 / 正標数 / reflexivity / 射影双対性 / ガロア点 |
Research Abstract |
本研究の目的は,「ガウス写像の構造理論の構築」を見出すことにより,正標数の視点からガウス写像の射影幾何を解析することである.またその周辺の,ガロア点の射影幾何を解析することもその目的となる.ガウス写像の構造理論に関する結果として,楫元氏(早稲田大学)との共同研究により,論文[1]"The reflexivity of a Segre product of projective varieties"を執筆した.与えられた射影多様体が(射影双対性に関して)reflexiveであるかどうかという問題は基本的かつ難しい.[1]では,射影空間P^mと射影多様体Yのセグレ積Xがいつreflexiveとなるかの判定条件を,mとYに関する条件として記述した.これのひとつの応用として,ガウス写像に関するKleiman-Pieneの問題の反例をかなりたくさん提供することができた.ガロア点の射影幾何に関する結果として,論文[2]"Singular plane curves with infinitely many Galois points"を長谷川武博氏(早稲田大学)と共同で,[3]"Classification of planecurves with infinitely many Galois points"を単著で執筆した.これまで知られている例ではすべてガロア点は有限個であったが,[2]では「無限個のガロア点をもつ平面曲線」を発見した.そして,その例が「曲線上に無限個のガロア点をもつ」ということで特徴づけられることを証明した.即ち,曲線上のガロア点の個数の最高記録をもつものはこの例に限る,ということを証明した.さらに[3]で,ガロア点を外に無限個もつ平面曲線の分類を完成させた.その分類にはまずガロア点を外に無限個もつ曲線はstrange曲線というクラスの曲線になることを示し,次にstrange曲線に対し,外のガロア点による群構造,曲線の定義式,外のガロア点の分布を完全に解明した.ある一定のクラスのガロア点の分布を決定すること自体一般には難しく,その意味でも価値ある結果である.
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Research Products
(10 results)