2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J03935
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
深澤 知 Yamagata University, 理学部, 助教
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Keywords | 射影代数多様体 / ガウス写像 / 正標数 / reflexivity / 射影双対性 / ガロア点 |
Research Abstract |
ガウス写像の構造理論に関する成果として,楫元氏・古川勝久氏(早稲田大学)と共同で,論文[1]"Projective varieties admitting an embedding with Gauss map of rank zero"を執筆した(Advances in Mathematicsに掲載決定済み).[1]では,射影多様体に対する「ガウス写像の微分のランクが零となる埋め込みをもつ」という性質(GMRZ)を研究した.そして,次の4つの結果を得た.(定理1)(GMRZ)を満たす多様体に有理曲線が存在したときの,余法束の分解の条件を与えた.(定理2)セグレ多様体,グラスマン多様体,2次超曲面が(GMRZ)を満たすための必要十分条件を与えた.(定理3)3次超曲面が(GMRZ)を満たすとき,標数は2であり,次元が4以上であれば,それはフェルマー超曲面である.(定理4)dとNが3<=d<=2N-3を満たすとする.N次元射影空間内の次数dの一般の超曲面が(GMRZ)を満たすとき,p=2かつd=2N-3である.論文[1]ではさらに,古川氏のアイデアを基に,正標数の有理曲線の幾何に関するある問題を(GMRZ)の議論をもちいて考察している.より具体的には,正標数においてseparably uniruledでありながらminimal freeな有理曲線を持たない多様体の例を与えている. ガロア点の幾何の研究においては,高橋剛氏(長岡高専)と共同で,論文[2]"Galois points for a normal hypersurface"を執筆した.[2]では,標数零の錐でない正規超曲面に関して,ガロア点の個数の上限を与え・その上限に到達する超曲面を完全に決定した.また,錐についてもガロア点の分布を決定した.さらに,それらの証明に用いられた超平面切断定理を使って,正標数のHermitian多様体のガロア点の分布を決定した.
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Research Products
(11 results)