2007 Fiscal Year Annual Research Report
ハミルトン系の可縮でない周期軌道を用いたフレアーホモロジーとその応用
Project/Area Number |
07J03956
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
薮 義郎 Kyoto University, 情報学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ハミルトン系 / 周期軌道 / フレアー理論 / filteredフレアーホモロジー / ミルナートーション / 対称性 / シンプレクティック簡約化 / 変分原理 |
Research Abstract |
研究の主な結果は、(1)ハミルトン系の可縮でない周期軌道に対するフレアーホモロジーの研究と、(2)シンプレクティック簡約化されたハミルトン系に対する変分原理の定式化の2点である。 (1)可縮な周期軌道に対するフレアーホモロジーは、ハミルトン系が定義されるシンプレクティック多様体のホモロジーと一致する。しかし、可縮でない周期軌道に対するフレアーホモロジーはいつも消えてしまう。したがって、可縮でない周期軌道に対するフレアーホモロジーをそのまま使っては、可縮でない周期軌道の存在についての情報を得ることはできない。そこで、次の2つのアプローチを試みた:(a)可縮でない周期軌道に対するFilteredフレアーホモロジーによるアプローチ、(b)フレアー鎖複体に対して定義されるミルナートーションによるアプローチ。 (a),(b)における諸量が消えていなければ可縮でない周期軌道の存在が分かるため、共に重要な量である。特に、ミルナートーションは鎖複体が非輪状である場合において定義されるため、可縮でない周期軌道に対するフレアー鎖複体をよく特徴付けると考えられる。しかし一方で研究結果が少ない。そこで、(a),(b)それぞれについて摂動に対する不変性など基本的な性質を示した。 (2)ハミルトンカ学系の研究において、力学系が対称性を持つ場合がよく表れる。しかし、簡約化された系の変分原理についての研究は少なかった。そこで、Marsden-Weinstein簡約化とOrbit簡約化によって、簡約化されたハミルトン系に対する変分原理を定式化し、成功した。また、この定式化はフレアーホモロジーへの応用も視野に入れ定式化しており、(1)の研究が応用できると思われる。
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Research Products
(2 results)